恋愛偏差値アップのコラム









上手いメールの書き方





今から5、6年前ぐらいからだろうか、僕たちの生活に、メールというツールが入ってきた。今ではそのメール、特に携帯電話のメールを使わない人は、若い世代では皆無といっていいだろう。使用頻度としては通話よりも遥かに多い。僕たちの生活におけるコミュニケーションを考えたとき、当たり前のことだがメールというツールを避けて通ることはできない。ボタンをポチポチ押してコミュニケーションするのはけしからぬ、という人はやはりいるだろうけど、実際にそうなっちゃっているからにはしょうがない。それよりは、これを新しい文化だとはっきり捉えて、文化ならば洗練していこうとするほうがよっぽど賢明だ。そんなわけで僕はここに、上手いメールの書き方、というコラムを書くことにした。読んでくれた人が、少しでもメールの書き方が上手くなればいいと思って、書きます。

他のサイトでも、「上手なメール」うんぬんについてのコラムはあるけれど、僕としてそこにかかれているのは、僕たちが実際に求めている知恵とは少し違う気がする。そこで書かれている中で、一番多いのはこういうのだ。

・顔文字をやたらに入れないこと
・引用を多くしすぎないこと
・なれなれしくしすぎないこと

大体、こういうのが多い。しかし僕が思うに、こういうことは、まっとうなセンスを持っている人なら既に、感覚として分かっているはずだ。僕が思うにこれは、ヘンなメールを書かない上での注意事項にしか過ぎないと思う。だから僕はもっと具体的な、攻めるためのメールの書き方について説明しようと思う。まあ僕が書く以上は、僕の流派としての、ということになってしまうけど、それはそれできっと参考になる部分があると思う。また人がどんなふうにメールを書いてるかって、意外に知るチャンスがなかったりもするものでもあるだろうし。(ここで自分の手口をバラしてしまうことになるなぁ、まあいいけど)

さて、具体的に、実際に僕の体験した例について話そう。この例は、とりあえず男性から女性に送るメールということなるけど、女性から男性に送る場合についても後半でお話しすることにする。

僕の体験した例とはこのようなものだ。僕と友人、そして女性二人で、合コンをした。2対2の合コンというわけだ。さてその帰りの道中、彼はそのときに気に入った女性に、メールを送ることにした。僕は、送る前にちょいと見せてみろよと言って、彼のメール文を検閲した。内容はこんなものだった。

「お疲れ様!!今日は本当に楽しかったです。まだ電車の中かな?気をつけて帰ってね。また飲みにいきましょう!」

僕はこのメールを見て、0点です、と評価した。みなさんは、これを何点だと評価するだろうか。僕は100点満点で、0点と評価したわけだったけれど。

なぜ0点か?それには根拠がある。上の文を見てもらって分かると思うのだけれども、これは例えば、50対50の合コンがあったとして、その全員から全員に送って通用するメールだ。そう、「誰が誰に送っても問題のないメール」ということになる。

誰が誰に送っても問題ないメッセージ、それは社交辞令というやつだ。だから僕は0点だと評価した。そして僕はここで、次のような定理を提示したい。

―――誰にでも送れる社交辞令メールは最低である。

さて、そのようなことを踏まえて、僕は彼に色々とアドバイスじみたものをした。それによって修正された結果、出来上がったのが次の文だ。

「お疲れ様!今日は本当に楽しかったです。まだ電車の中かな?気をつけて帰ってね。ところで○○さん、飲むとすごく明るくなるんですね。元気いっぱいで素敵でした。また今度、飲みに行きましょう!」

僕はこの文を見て、まだまだ駄目だ、と偉そうに首を振った。それはなぜか。まず一点、「元気いっぱいで素敵でした」がわざとらしすぎる。これは一発目のメールだったから、もう少し表現を丸める必要があると僕は判断した。

そしてさらに修正されたのが、次の文になる。

「お疲れ様!今日は本当に楽しかったです。まだ電車の中かな?気をつけて帰ってね。ところで○○さん、飲むとすごく明るくなるんですね(元気いっぱいでステキでした)。また今度、飲みに行きましょう!」

どうだろう?これはまったくもって小細工だが、かっこ()を付けることで、これは蛇足ですがといった具合に、重さが軽減されるようになるのが感じられると思う。ここでまた僕は、次のような定理を提示したい。

―――わざとらしくなりそうな部分は()でくくれ。

さて僕は、これでも完成とみなさなかった。それはなぜか。まだもう一つ、「また今度、飲みに行きましょう!」の部分が抽象的で、いかにもうやむやな感じだからだ。そして僕のそのしつこい指摘を受けて、修正されたのが次の文になる。

「お疲れ様!今日は本当に楽しかったです。まだ電車の中かな?気をつけて帰ってね。ところで○○さん、飲むとすごく明るくなるんですね(元気いっぱいで素敵でした)。ぜひ今度一緒に、銀座のバーで最高のスコッチを飲みましょう!」

さてこれで、抽象的だった部分が、いくらかは具体的になったかもしれない。しかし僕は、さらにNGを出した。なぜか。それは、まだまだ抽象的な部分がある上に、「銀座のバー」「最高のスコッチ」という言葉が、あまりに安っぽいからだ。この安っぽい言葉という部分は、ある程度経験とセンスが要求されてくるが、それでもたいていの人は、冷静に読み返してみれば、それが安っぽいということがわかるはずだ。そして、またしても僕の指摘を受け、修正されたのが次の文になる。

「お疲れ様!今日は本当に楽しかったです。まだ電車の中かな?気をつけて帰ってね。ところで○○さん、飲むとすごく明るくなるんですね(元気いっぱいで素敵でした)。ぜひ今度一緒に、銀座でスコッチ、linkwood25yearsでも飲みに行きましょう!」

これでどうだろう、かなり具体的になって、安っぽい言葉が無くなった。たいていの人は、linkwood25yearsってなんだろう?と思うだろうけど、むしろそのように好奇心を持たせたほうがいい。それはそれだけで面白そうだなと思わせるし、一般的でない言葉だけに、より安っぽさがなくなる。

そのようなわけで、僕はここで、次のような定理を提示したい。

―――冷静に読み返せ。安っぽい言葉はことごとく削除せよ。
―――抽象的な部分は徹底的に具体的にしろ。


・・・というわけで、先の文がついに完成稿になったわけだった。それではここで、その完成稿と、一番初めの文を改めて比較してみよう。

原文)
「お疲れ様!!今日は本当に楽しかったです。まだ電車の中かな?気をつけて帰ってね。また飲みにいきましょう!」

完成稿)
「お疲れ様!今日は本当に楽しかったです。まだ電車の中かな?気をつけて帰ってね。ところで○○さん、飲むとすごく明るくなるんですね(元気いっぱいで素敵でした)。ぜひ今度一緒に、銀座でスコッチ、linkwood25yearsでも飲みに行きましょう!」

彼の立場のように、その女性とこれから仲良くなって行きたいということであれば、前者と後者の差は歴然だ。前者においては、ただメールが送られてきたという事実があるだけで、さしたる印象も無ければ次に続いていく要素も無い。もちろん彼の場合は、合コンの後という状況だったから、その肝心の現場で彼女が彼のことをどう感じたかというのが一番重要になるわけではある。でも、もし少なからず好印象であったとしても、前者のようなメールを受け取ってしまったら、彼女としても社交辞令のメールを返すしかなかっただろう。この彼の場合は幸運なことに、その翌週にデートの約束を取り付けることが出来た。さて、その後は、どうなっただろうなぁ・・・。

というわけで、僕として上手いメールの作り方、そのための4つの定理を示してみた。もう一度、並べてみる。

―――誰にでも送れる社交辞令メールは最低である。
―――わざとらしくなりそうな部分は()でくくれ。
―――冷静に読み返せ。安っぽい言葉はことごとく削除せよ。
―――抽象的な部分は徹底的に具体的にしろ。

まあこれらも、やりすぎはいけないというのはあるけど。もともとのセンスがアホだと、「視野角が二十度拡大するほど楽しかったです(あなたの無垢に明るい表情が胸にジンと来ました)。今度新宿三丁目でジブラルタルの海塩でスノースタイルにしたマティーニを飲んで、マスターが空輸しているオリーブの実の歯ざわりを一緒に確認しましょう」、みたいなマニアックなものになってしまう。こんなのは誰だって引くだろう。そこはもう、各人が常識でやっていくしかない。

さて、その定理の4つが、結局のところ僕が提示しうる上手いメールの書き方ということなるのだけど、これは果たして女性の場合はどうなのか、ということについても説明しておくことにする。また、メールをするにして、色んな状況があるから、それについても若干触れる形で。

4つの定理自体は、男女いずれであっても、本質的には変わることが無い。例えば、こんな場合でもそうだ。まずあなたが思い焦がれる彼から、このようなメールが来たとしよう。

「春休みって、何か予定あるの」

さて、これにどのようなメールを返すか。まずは、ありがちで、まったく上手くないメールの例を示してみよう。

「特にありません。バイトしなきゃな、とは思ってます」

これで彼からお誘いを受けようというのはムシが良すぎる。これを先の4定理に照らし合わせて改善すると、例えばこのようなものがあり得るだろうか。

「予定無いんですよ、寂しいことに。○○さんは旅行に行くんですよね?うらやましいです!(写真撮ったら、見せてくださいね)あたしはとりあえず、誰かが誘ってくれる(マックシェイク飲みにいこう、とでも)のを待ってます笑」

どうだろうか、あなたが彼に何か誘ってもらおうとたくらんでいるなら、前者と後者の差はやはり歴然だ。そして後者の文中に、先の4定理が取り込まれているのが見て取れるとも思う。もちろんこういうのは、個人の個性と状況によって変わってくるものだろうから、自分と自分の状況にあわせてアレンジすることが必要になってくるわけだけど、そのアレンジにおいて、4定理は役立つものになるんじゃないかなと思う。

さて、いかがだったろうか。上手いメールの作り方、そのための4つの定理。何か参考になるところがあったなら幸いです。









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