恋愛偏差値アップのコラム









友達から恋人になる方法







「友達にはなれるんですけど、そこから進まないんです」
「男友達が増えるばかりで、恋人ができません」
「このままずっと友達モードなのでしょうか」
「女として魅力がないんでしょうか」

そういった悩みを、思いのほかよく聞く。それも、女として魅力が無いような女の子からじゃなく、人並み以上に綺麗で、気の優しい女の子から聞かされることが多い。中には、そのことで真剣になやんで、夜中に一人でこっそり泣いたりもする人もいるらしいのだ。実際、僕自身、ある女の子がそのように悩んで、ついには泣きだすのを、電話口で聞いたわけでもあるけど・・・。

友達モードを打破して、恋人モードになるには。
ここで冷静に考えると、友達モードを打破するのは、イコールで恋人モードになるというわけではない。裏目に出たときは、むしろ「ぎくしゃくモード」に直行だ。それは、皆知っているだろう。ここでは、そのことは承知の上という前提で、話を進めることにする。

さて友達モードを打破するには、どうすればいいか?

一番単純な方法は、「告白」してしまうことだろう。
中には、それを積極的に勧めてくる友人もいるかもしれない。

「思い切って、告白しちゃいなよ〜!!」

あるいは、それに少しは変化球をかけてくるかもしれない。

「あたしから、それとなく伝えておこうか!?あのコ、あんたのこと好きらしいよ、って!!」

僕としては、ちょっと待てよと言いたい。確かに、告白することは、友達モードを打破する方法の一つだろう。しかし、それはどちらかというと、最終手段じゃないか?僕としては、そのような最終手段をまず一発目に用いるというのが、いかにも上手くないように思えるのだけれど・・・。

告白したら、友達モードは打破される。しかし裏目に出た場合、問答無用で「ぎくしゃくモード」に突入だ。それが分かっているからこそ、安易に告白できないでいるのだ。またそれは、ぎくしゃくモードに対する警戒心、告白についてのリスク把握という視点では、全く正しいのだとも思う。告白は、あらゆる意味で、リスク無視の最終手段だ。

告白する以外に、もっと上手い方法はないだろうか?上手くなくても、もう少しましな方法がないだろうか?僕としては、そこに智恵を絞りたい。このことに悩んでいる人も、それを求めているのではあろうから。

僕自身として、それまでただの女友達だったものが、突如特別な存在として感じられだした時のこと、それを例にして考えようと思う。

例の一つ。夜中の三時に、「こんな時間にごめん」と言いながら、電話をかけてきた女性の話。彼女はそのようにして電話をかけてきて、「実は最近、あんまり眠れないんだ」「寝る前に、誰かの声が聴きたかったの。そういう時ってあるじゃん」と照れくさそうに話し、10分後には電話を切った。
―――僕としては、寝る前に誰かの声を聴きたいとして、彼女は僕の声を選んでくれたんだなあと思うと、妙に気恥ずかしく、また光栄にも思われた。そして、僕として出来る限り優しい無駄話をしようと、張り切ったりもしたのだった。

例の一つ。飲み会の帰りに、「あたしって、頭悪そうにみえる?ちょっと本気で、へこんでるんだけど」と僕に呼びかけてきた女性の話。その時の飲み会、それはいわゆる合コンというやつで、二十代になりたての若い連中が集まったから、色々と野卑な冗談も飛んだ。彼女はその中の一つを、思いのほか気にしていたようだった。彼女は僕にそう呼びかけつつ、頼りなさげに僕の服の袖を軽く引っ張りもしたのだった。
―――僕としては、普段気の強い彼女が、そのように弱々しく目を泳がせているのを見るのは、新鮮で、また可愛らしくも見えた。「無駄な事は考えなさそう、って意味だよ。むしろ、頭と心のバランスがいいほうだと、俺は思うけどな」、僕としては、少し声を上ずらせながら、そのように言った。慰めになったかどうかは、さておいて・・・。

例の一つ。メールを送ってきた女性の話。メールは三通来た。一通目「ちょっと質問があるんだけど、あとで電話していい?」。二通目「ごめん、質問は解決したよ。あたしの勘違いだった〜汗」。三通目「・・・質問も何もないんだけど、やっぱ電話していい?なんか、もう電話する気になってたからさ」。
―――僕としては、彼女から寄せられたささやかで力みの抜けた好意に、軽くどきりとさせられた。僕は、じゃあ電話待ってるよと短く返信して、電話が鳴るのをいささか昂ぶった気持ちで待ったのだった。

さて、このように様々な形で、僕はそれぞれの女友達を少し特別な存在として感じるようになったりしたわけだったが、この仕組みは、簡単にいうとするなら、どういうふうに説明されるだろうか。

僕として、これをスマートに説明する為に、「自己開示」という言葉を使いたい。自己開示とは、打ち明けるとか、さらけ出すとか、そういった言葉や行動のことを指す。正確な意味は、それぞれ興味のある人自身で心理学用語辞典を引いてもらうとして、ここではそのように簡単に捉えよう。また、これは別の恋愛心理学のコラムでも書いたから、そちらも参照してもらえればより分かりやすいかもしれない。

先に挙げた例は、それぞれに、自己開示が含まれていないだろうか。好意を打ち明けるということも、自己開示に含まれるとして。

僕としてやはり、自己開示によって、強力な親近感が生まれる、あるいは人間関係の距離が縮まるのだ、というように考えて、先の例のことを捉えたい。僕は、それぞれの女性の自己開示を受けて、それぞれの女性を特別な存在と感じだしたわけだった。それは、心を開けば接近し、閉じれば遠ざかるという感覚に置いて、僕たちに違和感なく納得されうるものだと、僕は思うのでもあるけど。

さてここで自己開示といえば、「告白」することも、自己開示の一つだといえる。むしろ、一番分かりやすい、思い切った自己開示だといえるだろう。

しかし、先の例と比較してもらうとして、例えば「好きです!!付き合ってください!!」などというのは、いかにもバランスが悪い自己開示だと思われないだろうか。特に、友達という関係からさらに接近していこうとするにおいては、無意味な思い切りの良さ、とも言いうるのではないだろうか。僕としては、そのように感じられてならない。このバランスの悪さがしばしば、「重い」と感じられだすこともあるわけだけれども・・・。

自己開示という言葉を持ち込んで、友達モードを打破する方法、しかも上手く打破する方法を考える。あくまで先の例を踏まえた上で・・・。僕はその結論を、「バランス良く自己開示すること」、としたい。「告白」というのは、究極の自己開示・最終手段であり、最大にバランスの悪い方法でもありうるのだということも含めて。

バランスの良い自己開示。それによって、友達モードは、上手く打破されうる。どうだろうか、僕自身として、この結論は差し当たり疑う余地の無いものに思える。友達モードから抜け出る可能性が感じられないのであれば、それは自己開示が不足しているのであるし、あるいは逆に、自己開示するにして、それによって「ぎくしゃくモード」のリスクが大きく感じられてならないときは、そのバランスが悪いのである。そのように考える事が出来れば、この結論は、それなりに有意義なものともなりうるだろう。考え方の指針、作戦を立てる上での指針になりうるものとして。特に、恋の熱に浮かされたとき、僕たちは愚か者になりがちなわけでもあるから・・・。

さて、バランスの良い自己開示という考え方、あなたにとって、何かヒントになりえただろうか。あくまでヒントであって、それをどのように実際のものにしていくのかは、あなたのキャラクターにもよってくるわけだけど。またそれは、あなたの女としてのスタイルの確立、ということにもなっていくのかもしれないとも、僕などには思われる。そして僕自身、やはり女性をデートに誘うにして、「デートしてください!」などとバランスの悪いことはせずに、「モン・サン・クレールのクレーム・ブリュレを食べにいこう、男一人じゃ入りにくい店だし、お前は連れて歩くだけなら合格点だからな」というふうに誘う事にしようと思う。僕のキャラクターはまったく悪党じみているから、そのように下品にならざるを得ないわけでもあるけど。・・・さて、これ以上いうと野暮も出てきそうだから、これでおしまいにすることにする。重ねて、最後まで読んでくれたあなたに、何かヒントたりえる発見があったことを祈っておきます。

追伸
いつも穏やかに笑っているあなたが、実はそのように切羽詰って悩んでいるとは知りませんでした。あなたがあのように嗚咽を漏らして泣いたことは、僕には衝撃ですらありました。胸を打たれた、といっても差し支えないように思われます。そして僕は不謹慎なことに、愚痴をこぼし、電話口でとはいえ目の前で泣いてみせる相手として僕を選んでくれたことに、僕は嬉しくも感じてしまっていたのでした。僕としてはあのときから、友人だったあなたが、大切な友人に昇格したとも感じられてもいます・・・。僕は相変わらず僕ですから、冗談めかして次のように言おうと思います。あなたが僕に見せた弱々しい姿、あれこそが自己開示でしたね。だからこそあなたは、僕の中で、大切な存在として成長してしまったわけでもありますから。でも、自己開示してみせる相手が違いましたね。次は、あなたの想う彼に向けて、そのように、実はいかにも乙女じみて弱々しいあなたを、見せてやってください。自己開示です。ただし、あくまで、バランス良くですよ。





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