恋愛相談のコラム









いいオトコを貪欲に求めよう






最近、改めて気付いた。どうやら、世の中にはいいオトコが少なすぎるらしい。世の中にはいいオトコといいオンナ、ダメなオトコとダメなオンナがいて然るべきだが、僕の知る限りいいオンナはけっこうたくさんいるのに、いいオトコはえらく少ないようだ。それについては、僕みたいな冴えないオトコがしばしばいいオンナと素敵な時間を過ごさせてもらっているのが何よりの証拠だろう。非常に痛ましいことに、世の中のいいオンナがいいオトコを見つけ出せず、僕なんかと遊んで暇つぶしをしていたりする。

僕は掲示板や、あるいはメールで個人的に恋愛相談を受けたりする。僕はそれに答えながら、その相談者(大半が女性だ)がどのように解決へ向かっていくのか、それを拝見させてもらってたりする。いつも思うことだけど、そういう問題や悩み事っていうのは結局人がアレコレ言って解決できるようなものではないのだ。ささやかな智恵を貸すことはできたとしても、それを契機にして解決に向かうかどうかはそれぞれ個人の力による。言い換えれば、誰かが上手い具合に解決の方向へ向かったとしてもそこに僕の功績などは微塵も含まれていないのだ。僕は所詮、人の話を「そうですかそうですかうーん」と言いながら聞いているだけでしかない。ただ、人は自分を見つめるときに鏡が必要になるわけだから、できるかぎり良質の鏡でありたいと思っていたりはするわけだけど・・・。

そんな中で色々とオンナの悩みを色々と聞くのだけれど、まあなんというか、半分以上はオトコの側がだらしなさすぎる故の悩みだったりする。彼女らの悩みは「彼氏がだらしなくてアタシ振り回されて苦しいんですけどどうすればいいのでしょう」という健気な悩みばかりなのだ。僕はそのような話を聞きながら、同じオトコとしてそのオンナに申し訳なく思ったりする。どうせオンナを悩ませるなら、メロメロになりすぎて苦しいんですけどという具合に悩ませるべきだ。オンナにお姉さん役をやらせてしまうのはオトコの恥だと思わねばならない。(僕自身も人のことは言えないわけだったりするが、そういうことはいつもどおり棚に上げておく)

いいオトコが少なすぎて、いいオンナがしぶしぶしょぼいオトコと付き合っている。あるいは頻繁にデートを重ねている。僕としてそのような現状をオトコの一人として申し訳なく思うし、そういう不本意な状況におかれているいいオンナに少なからず同情する。しかしだ、僕として敢えて言いたい。あなたはもっと貪欲になっていいのじゃないか?要するに、「このオトコはダメだ」と見切りをつけて、もっといいオトコを求めていってもいいのじゃないか?僕はそのように思う。僕はオンナの健気な部分には素直に心を打たれてしまうが、それでも真剣にいいオンナの幸福を考えたとき、さっさと別のいいオトコを見つけろと言いたくなるのだ。

そんなわけで僕は今回、いいオトコってなんなのか、どういうオトコだったのか、そのことについて再考することにしたい。それによって、せっかくのいいオンナであるあなたが目を覚ませばいいな、いいオトコを見つけていければいいな、と思って書くことにします。(僕としては自分がいいオンナと遊ぶ機会を失うことになって自分の首を締めることになるわけだけど、がんばって私情を排すことにします)


まずはじめに、「いいオトコ」とはどのようなものかについて簡単に考えておくことにしよう。僕がここで言ういいオトコとは、キムタクとか福山雅治とかブラッド・ピットとか、そこまで特級品のオトコのことではない。もっと現実的に「いいオトコ」と思われるオトコについてだ。あなたがいいオンナだったとして、本当にいて欲しいのはモニタの向こうの特級品じゃなくて生活の周辺にいる上質なオトコのはずだと思う。しばしば顔を合わす機会があり、平凡な感じだけど気がつくと会うのが楽しみになってしまっているオトコ。夜中に寂しく感じたときに思わず電話してしまいそうになる、実は話の聞き方が上手いオトコ。機知のある話は近くで聞くと声がセクシーで、その声を聞くとふと自分がオンナなんだと感じさせられてしまうオトコ。僕はここで、そういう上質なオトコを「いいオトコ」と呼ぶことにしよう。

で、その「いいオトコ」なんだが。
これが実際には少ない。
ちょっと、現状について考えてみよう。

例えばあなたの場合、自分がお付き合いするオトコ、あるいはひんぱんにデートするオトコとして考えたとき、次の項目のうちどれについてなら「大目に見てもいい」と思われるだろうか。僕としては、一つでも該当したら、オンナとしてはNGにしたいところなんじゃないかと思ったりするわけだけど・・・。

・敬語が使えない
・初対面の人に挨拶ができない、あるいは挨拶するとしてもくぐもった声である
・スープを飲むとき、あるいはコーヒーを飲むときに「っずぞぞぞぞぞぞぞぞ」と音を立てる
・不健康を感じさせる体型をしている
・ジョークのセンスが無い。笑わないか、あるいは寒いギャグを言って一人で笑う
・頭が悪い。コンビニのアルバイトの面接にすら落ちそうである
・「キスしていい?」と聞いてくる。その時は目が泳ぎがちだ
・情報誌以外のデートコースを一切提案してこない
・活字の本を全く読まず、マンガしか読まない(マンガについてはマニアックだったりする)
・パスタ屋ではいつもボンゴレを注文するが、「ボンゴレ」が何なのか分かっていない
・レストランを予約できない。あるいは面倒くさがる
・映画を観終わった後、眠たそうな顔をしている
・デートの終わり、帰りたくなさそうにモジモジする。でも結局何も言わない
・aikoが好きだと言うが、「歌詞のどこが好き?」と聞いても「うーん?」としか言わない
・手をつないでこない。こちらからつないであげても無反応、むしろ目を逸らしがちになる
・フィンガーボールが出ているのに、骨付きスペアリブを無理やりナイフとフォークで食べる
・バーに入ったのにジントニックしか注文しない
・しゃべりのトーンは暗く地味なのに、メールだけ妙にハイテンション
・写真を撮ると必ず手ブレしている
・コンドームは持ってくるのに爪は切ってこない
・話題がテレビ関連のことしか出てこない
・電話して「何してた?」と聞くと常に答えに詰まる
・「馬耳東風ってどういう意味?」と真剣に聞いてくる
・お寺でかしわ手を打つ。あるいは神社で南無阿弥陀仏と言う
・世界地図を見てもフランスの位置がわからない
・キスのとき異様に吸い付いてくる。かつ鼻息が激しい
・話題がなくなると、何か考えているフリをして恰好つける
・将来の夢を聞くと「とにかく前向きに生きていきたいよね」と答える。あるいは「自己実現」がどうこうと答える。
・付き合ってもいないのに指輪をプレゼントしてくる。しかもダサい指輪だ
・友達がいない
・すぐにイライラし、イライラしだすと五分以上持続する
・母親のことをママと呼んでいる
・タンクトップを見て「ボディコン」と言う
・生理が三日遅れていると言うと半泣きの表情になる
・「友達を紹介するよ」と言うといやがる。あるいは言い訳してとにかく会うのを拒否する
・危険日の算出方法を知らない
・クラシックのコンサートを聴きにいくのに汚いスニーカーを履いてくる
・「カレー、好き?」と同じことを三回聞いてくる。何回答えても覚えない
・三回目のデートで、「彼女いないって言ったけど、あれ実はウソなんだ」と言い出す
・「トリビアの泉」で仕入れた知識で知ったかぶりをする
・居酒屋で店員さんを呼び止められない
・「彼氏欲しいとかって思わない?」と聞いてくる。本人はさりげないふうだが、モロにわざとらしい
・道を間違えると動揺してきょろきょろしだす
・話の途中で「え?」と何度も聞き返してくる
・初対面の人にはまず血液型を聞く
・ユーモアがない
・セックスの話をするとエロオヤジと化す。そのとき見事にセクシーさはゼロである

どうだろう。このように並べて書くと冗談みたいだが、こういう項目に複数該当してしまうオトコはウヨウヨしているんじゃないかと思う。多分あなたも、「ああ、いるいる」という感じで、かなりの数のオトコを思い出せるはずだ。逆に、一つも該当しないオトコは本当に少ない。「あ、彼は大丈夫」と自信をもって思い出せるオトコをあなたは何人知っているだろうか。ゼロであってもまったくおかしくないと思う。本当に、こういう当たり前のところで野暮なオトコがウヨウヨしているのだ。(お前はどうなんだと意地悪を言わないように)

本来のまっとうな感覚からすれば、まあ年齢とか個性とか色々と考慮する部分はあるにしても、こんな基本的な項目に引っかかってしまっているようではオンナとしてはまず興ざめというものだろう。自動車免許の実技試験に例えれば交差点でエンストするぐらいの減点になると思う。それでも世の中のいいオンナは、こういう基本をクリアできているオトコですら少なすぎるから、二つ三つ該当してしまっているオトコとやむなくデートを重ねてしまったりしている。本当に、そういう現状なのだ。僕としても、生理が三日遅れただけで半泣きになるオトコと付き合っている17歳の女の子を知っているし(写メール送ってもらったけど、またこの女の子がえらくかわいかったりするんだからやりきれない)、二、三回ベッドを過ごしてから「実は彼女いるんだ」と言われたオンナも知っている(彼女はホテル代もワリカンにしてあげるやさしいオンナです)。それでも彼女らはそのしょぼいオトコを責めもしなければ別れもせず、何とかして関係をよりよいものにしていこうと健気に前向きだったりするのだ。まったく僕としては「酒と男と泪と女」の「また一つ女のほうが偉く思えてきた また一つ男のずるさが見えてきた」というあたりを歌いたくなる。(ほんとに28歳か?汗)

繰り返しになるけど、僕としてはいいオンナのあなたに、ダメなオトコにはさっさと見切りをつけていいオトコを貪欲に求めるべきだと言いたい。内心で興ざめしながら関係を深めていくというのは精神に毒だし、そんなことをしているといずれあなたもダメなオンナになってしまう。いいオトコは少ないし、彼女のいないいわゆるフリーのいいオトコはさらに少なかったりするわけだけど、ダメなオトコに興ざめしながら付き合っているよりは、フリーじゃないいいオトコとデートを重ねるほうがまだいいんじゃないかとも思う。いいオトコの友人はやはりいいオトコが多かったりするものだし、まずは「とりあえずいいオトコといいオンナのエリアに入るんだ!」というつもりでいいオトコと仲良くなっていけばいいと思う。(逆にダメオトコについて悩んでその友人のダメオトコに相談するようになったりしたらサイアクです。あなたは否応なくダメエナジーを吸収していくでしょう)

さてここで、いいオトコというのは、先の項目に比較して言うならどのようなものになるか。それについても考えておこう。それは案外シンプルなものになる。

・常識と世間知がある
・オトコとして、強く大きくあろうとしている。臆病でない
・ハートがある。意地になったり、少年じみて真剣になったりする部分がある
・ユーモアがある
・タフネスがあり、何かしら目標を持っている
・人の話を真剣に聞く。また時には真剣に話す
・色気があるが、同時に品性があるのでいやらしくない

思い出してみて欲しい。これらの項目にがっちり該当してくれる男が、よくよく考えればあなたの周りにもやはり一人二人はいるんじゃないだろうか(いなければ何とかして見つけてください)。その人と話しているといつの間にかたくさん笑ってたり、新しい知識や発想をもらっていたり、ふと気付けば勇気付けられていたり、そういう記憶があるはずだ。ドライブに行くにして先輩の車を上手く借りてくるオトコ。引越の見積もりを値切り交渉して安くしてくれるオトコ。話が支離滅裂になっても何も言わずただ真剣に聞いてくれるオトコ。たまに飲み会を欠席しては家で勉強しているオトコ。一緒にシーツにくるまったら気持ち良さそうだなと自然に想像できるオトコ。そういうオトコがあなたの周りにも少しはいるはずで、あなたはいいオンナとしてそういうオトコをこそ貪欲に求めていかなくてはならない。

いいオトコと向き合うとき、あなたには緊張感が生まれるはずだ。あたしなんかが色気だしていいものかしらとか、きっとバカだと思われるよなぁとか、そういうふうに思われるかもしれない。でもそういう緊張感こそが、あなたをよりいいオンナにしていくのでもある。ダメなオトコといるときはそういう緊張感とは無縁だから、あなたが疲れ切っているときなどは居心地がよく感じられるかもしれないが、それは本来あるべき状態じゃないと心得るべきだ。あなたはいいオンナの気概をもって、堂々といいオトコを求めていかなくてはいけない。

最近になって特に、童女趣味とかロリコンとか、そういうことにまつわる事件が増えてきた。援助交際なんて珍しくもなくなったし、ヤフーオークションでは童女ポルノが高値で取引されている。未だ強いジャパンマネーを振りかざして、東南アジアに幼い女の子目当ての買春ツアーに出かけるおっさんがわんさかいる。スピードやモーニング娘から始まって、テレビではまだ幼い体をした女の子がきわどい恰好をして踊り歌うようになった。

なぜこんなことになったか?それはオンナが強くなる一方でオトコが弱くなって、オトコが自信を失っているからだ。自信の無いオトコは、必然的に未熟で弱いオンナを求めるようになる。オトコであれば無垢なオンナを手込めにしたいと思ってしまう欲望はどうしてもあるわけだけど、それが病的な段階にまで進行しているのだ。一方、そこまで品性を失うことはできないというオトコは、オンナに惚れられなくてもいいから優しくていい人と思われたいと思うようになり、貧弱な愛想笑いだけを見せるようになっている。十回も二十回もデートを重ねているのに、堂々とあなたを求めてこないいつまでも愛想笑いのオトコ。そんなのもたくさんいるから、あなたはきっとため息をついているだろう。そのため息の繰り返しから、いいかげん脱出しなくちゃならない・・・。


そんなわけで、いいオトコが少なすぎるわけだけど、あなたはどうか諦めずにいいオトコを求めていってください。ダメなオトコはさっさと見切って、貪欲にいいオトコに迫っていきましょう。それはある意味で、あなた自身がいいオンナであり続けてやると覚悟することでもあります。自分がダメなオンナに堕したときは、さっさと見切られる立場にもなるわけですから。そこには緊張感があります。緊張感のある、いいオトコといいオンナの関係。見切られたらおしまいの関係。僕は、それでいい、それでこそいいのだと思います。そのような考え方は冷たいと思う人もいるでしょうが、その点は大丈夫です。僕たちは、あれこれ言ってみたとしても所詮は甘ちゃんで、どうせだらしない情を捨てきれないんですから。

ダメなオトコは見切りましょう。そして、いいオトコを貪欲に求めていってください。
(でもたまには、僕とも遊んでください)







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