No.105 すぐめげるオトコなんて、付き合いようがない 〜オトコへ〜
28th-Mar, 2007 九折
オンナをデートに誘ったとき、断られることがある。
断られたとき、あっさり引き下がると、オンナはガッカリする。
引き下がられたことにガッカリするのではない。
あなたにガッカリするのだ。
オンナはこのへん、リアルに厳しいものだ。
このことについて、僕の知るあるオンナは名言を残してもいる。
「すぐめげるオトコなんて、付き合いようがないよ」
と彼女は笑った。
ああ、なんと厳しいお言葉だろうね。
僕たちオトコどもは、このことを肝に銘じておかなくてはならない。
めげるオトコは、オンナにガッカリされる。
かといって、しつこくしてもイヤがられるわけだ。
難しいことである。
この難しさは、オトコは避けて通ることができない。
キーワードは、「対立」と「緊張感」
めげるオトコに、オンナがガッカリする、その構造は、たとえば日本人と竹島問題、ということにつながっている。
キーワードは、「対立」と「緊張感」だ。
日本のオトコはどうも、この「対立」と「緊張感」に大変弱いらしい。
「竹島はウチの領土じゃ」
「いや、ウチの領土だと思うんですけど」
日本と韓国は、そう対立している。
対立しているから、緊張感を生んでいる。
日本人は、このことが苦手だから、いかにも自分の立場を放棄しそうで不安だ。
国政を担うものが、ここで逃げてもらっては困るんだけどね。
日本のオトコたち、すなわち僕たちは、この対立と緊張が苦手な者たちだ。
そして、そういうオトコはオンナに尊敬されない。
オンナにガッカリされるということだ。
だから日本の政治家はオンナに人気がない。
対立と緊張感に向き合えなくては、僕たちはオンナに尊敬されない。
それは要するに、オンナをデートに誘ったとき、断られたとして、あっさり引き下がってはいけないということだ。
「デートしてください」
「うーん、ごめんなさい」
この二者の間にも、対立と緊張感がある。
竹島問題と、スケールは違うにしても、共通している。
二者の意志が添わないのだ。
この対立と緊張感の中で、タフになれるオトコ、笑って物事を進められるオトコが、オンナに尊敬されるのである。
「なんでダメなの?」
こうやって食い下がるオトコは、うっとうしがられる。
泣きが入っているし、タフさもなければ笑えるユニークさも無いからだ。
「デートしてください」
「うーん、ごめんなさい」
「あやまってもダメだ」
「は?」
「オレはこう、ふつふつと、君とデートがしたいのだよ」
「なにそれ」
「わかるかい、こうふつふつと来るのだよ」
「わからないわよ」
「さあ気持ちを大きく持て」
「そう言われても」
「寄り道こそが人生と言うではないか」
「そうなの?」
「いや、今オレがテキトーに作った金言だけど」
「じゃあ聞き流していい?」
せめてこれぐらい、遊びながら食い下がるしかない。
キーワードは対立と緊張感だ。
その中でタフになれるやつこそ、オンナに尊敬されるオトコであって、また僕たちオトコたち自身も、結局そういうオトコを尊敬している気がする。
オンナはこのあたり、怖い生きもので、無意識のうちにオトコを試している気がする。
抱き寄せて、キスを迫ると逃げたりするが、その中でオトコの性根に問いかけているような気がするのだ。
オンナは拒否によって、僕たちに対立と緊張感を投げかけるのである。
拒否された僕たちの振る舞いを彼女らはたっぷり観察するのだ。
怖い話だ。
しかし考えようによっては、断られたときこそチャンス、ということかもしれない。
チャンスと言っても、ラッキーチャンスでもなんでもない、むしろ試練に近いかもしれないけれど。
まあでも、僕たちは一応オトコなんだから、そこでオンナを失望はさせたくないものだ。
オンナが拒否を見せたとき、どこまでの拒否なのかは僕たちにはわからないし、実際どれだけがんばっても、ダメなときはダメなものである。
見極めが難しいし、実際見極められてなんかいないと思う。
まあでも、それはそれでいい、という気もする。
とにかく、そういう場面でオンナを失望はさせたくない。
受け入れられるにせよ最後まで拒否されるにせよ、せめぎ合いが完了した後、いくらかでも尊敬されていたいと思う。
腰砕けになって軽蔑されるのだけはイヤだ。
あなたはどう思う?
大事なのは尊敬されることであり、気に入られることではない
デートを拒否されても、あっさり引き下がってはいけない。
引き下がるなら、いくらかのタフさとユーモアを演出してから引き下がるべきだ。
押し倒した後に拒否されても、あやまったりしてはいけない。
弱腰とか迎合とかを、そういう大事なシーンで見せてはならない。
押し倒してから、拒否されたら、そこから天気の話をしてもいいし、そこからやさしく口説いてもいいじゃないか。
オンナはやさしい生きものだから、拒否した後も、別に心を閉ざしてしまうわけじゃないんだからね。
オトコはそこそこ強引でないと、オンナを手に入れられないが、本質的に必要なのは、おそらく強引さよりも強靭さだろう。
対立と緊張感の中で笑えるだけの強靭さが必要なのだ。
オトコはその強靭さによってオンナに尊敬される。
大事なのは尊敬されることであり、気に入られることではない。
すぐめげるオトコなんて、付き合いようがない、それは先の彼女の言うとおり。
フラれてから笑えない、フラれてから口説けないようじゃ、オトコはオンナに手を出すべきじゃないんだろうな。
がんばろうね。
[了]