恋愛偏差値アップのコラム









彼をドッキーンとさせよう







誕生日なのでメールくださいとサイトで催促したら、なんとメールを四十一通ももらってしまった。感激だ。メールくれたみんな、ありがとうね。マジに嬉しかった。僕はみんなのおかげで生かされてます。

四十一通のメールの中には、七通の写メールも含まれていた。もちろん全部女のコからだったけど、最近の女のコはみんなカワイイね。スタイルいいし、化粧も笑顔も上手だ。こんなカワイイコは恋に悩むことなんかないんじゃないかと思ってしまうが、それでも実際は一人一人悩んでいるんだから不思議なものだ。特に、カワイイコの中には、オトコの人がどうも苦手というか、コワいんです、と言う人が多い。これは不謹慎だけど、僕たちオトコ連中にとっては朗報だろう。彼女らの恐怖心や不安や警戒心を解きほぐせれば、分不相応にカワイイコをゲットできる可能性があるということなのだから。この点、僕もがんばっていきたい。

(が、僕みたいな下心丸出しのオトコは、たいていコワがわれる方のタイプなんだよな。ちっ。)

もらった写メールの中で、これはやられた、と思うのが一つあった。北海道在住、二十四歳の女性からのもので、文面にはこう書かれていた。

「誕生日おめでとうございます☆いつもコラムを楽しみに読ませてもらってます。これはお礼の写メだと思っておいてください♪九折さんは、こういうバカっぽいの好きでしょうか・・・^^;?気に入ってもらえるとうれしいです。これからも、お体を大切にがんばってくださいね!」

そして添付されていたのは、彼女の胸から上、唇あたりまでの写真。それが、なんとヌードなのだ。胸は片手で隠してたけど、鎖骨の下辺りにラズベリー色のルージュで ”Happy Birthday” と書かれていた。肌が健康な色白で、唇は一時期流行ったアヒル口だった。

これでカワイイと思うなと言われても、それは無理な話である。もちろん画像は速攻で保存した。この写メール、みんなに見せびらかせないのが残念なぐらいだ。文字の周りにキラキラパウダーまであしらってあるのがうれしい。

僕は脳の大半がエロスのセンターで構成されているので、そういうプチエッチいのにすぐ感激しちゃうわけだけど、もちろんエッチいのしか欲しくありませんというわけでなはい。頂いた四十一通のメール、その全てはひとつひとつ本当に嬉しかった。その点、嬉しさのレベルについては差が無い。(多分僕は、みんなが想像しているよりはるかに本気で喜んでいる。ホントだ)

ただ、僕としてより直截的に、ドッキーンと感激させられたのは彼女からの写メールだった。それは事実だったから、まあウソをついてもしょうがないだろう。うれしいと一言に言ってもそれには色んな温度があるわけで、ほのぼのと嬉しいものもあれば、ドッキーンと嬉しいものもあるわけだ。特に彼女の場合、こういうバカっぽいの好きでしょうかと、僕のことをよく理解してくれているのがなお嬉しいじゃないか。これがもし、隠すべきところを隠さず丸出しの写メールだったら、僕としてはガン引きしてたわけで・・・。

(でも、オレはきっとそれも保存しちゃうんだろうな。バカだ)


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あなたがオトコに言い寄ったり、誘惑したり、告白したりするとき、できることなら彼をドッキーンとさせたいはずだ。自分に好意を持ってくれている、そのことを伝えられるのは誰だって嬉しいものだけど、あなたとしては彼に単に「嬉しいナ」と思ってもらうのが目的ではないはず。あなたは彼をゲットしたいのであって、そのために彼をドッキーンとさせたいはずだ。ところが、この相手をドッキーンとさせること、これがなかなか難しい。だから僕たちは悩むし、誰かに相談したりするし、アイディアを探したりもする。

それでも、「コレだ」と確信できるような方法はなかなか見つからないのだけどね。相手が何にドッキーンとなるか、それを想像してやるしかないわけだから。とはいえ、やっぱりその「ドッキーンとさせる方法」について考えるのは無意味ではないと思う。当たって砕けろと、すぐに思考停止するよりはよっぽどいい。

今回は、その「ドッキーンとさせる」という視点で、告白のことを考えてみたいと思う。僕たちは告白するとき、メールよりは電話で、できたら電話より直接会って告白したいと望む。そう望む理由の半分は、「そのほうがいくらかでも相手をドッキーンとさせうるから」だと僕は思う。逆に、別れ話とかは不必要に相手をドッキーンとさせたくないので、メールで済ませたいなと思ったりもする。

もちろん、僕がいくら考えてみたところで、こうすればあなたは彼をドッキーンとさせられるヨというような必殺技が出てくるわけじゃないので、少し違った視点から考えようということだけど・・・。

(必殺技をあまり僕に期待しないように。そんな都合のいいものは出てこない。僕はドラえもんではない)


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「あなたのことが、好きです」

そう言われたら、あなたはドッキーンとするだろうか。このとき、発言主について、的場浩司とかブラッド・ピットとか、そういう特殊な男前を想像してはいけない。ごく普通の人で、あなたとしては特別に好意を抱いてはいなかった人を想像しなくてはならない。そうだな、例えばロンブーの亮くんとか、そういうのを想像すればいいかもしれない。(亮くん、ゴメン)

好きだと真顔で言われれば、あなたはそれなりにドッキーンとすると思う。でも、それも人によって程度はそれぞれだ。生まれて初めて告白された人とか、ぼちぼち結婚に焦りつつある人、あるいはまだ中学生の人とか、彼氏がいなくて寂しいと常々感じている人とかは、より激しくドッキーンとするだろう。

逆に、つい最近彼氏と別れたばかりで、しばらくオトコはいいや、別れてから二人の男に交際を申し込まれたけど、それもとりあえず断ったよというような人は、あまりドッキーンとはしないかもしれない。キレイ過ぎる人は、うーん、またか、と思ってしまったりもするかもしれない。

僕が思うに、この自分として告白されたらどれぐらいドッキーンとなるかという、その度合い、これがけっこうクセモノなのだ。

僕たちは無意識に、相手の気持ちを、自分の場合に置き換えて捉えようとするものだ。だから、告白されたらそれだけで超ドッキーンとなりますという人は勘違いをしてしまう。自分が彼に告白したら、それだけで彼はとりあえずドッキーンとなるものだと、いつのまにか無意識に思い込んでしまうのだ。

この現象は根が深く、乗り越えるのは非常に難しいものだ。でも、知っていて損の無いことだと思う。

告白されたというだけで、あなたはドッキーンとなるかもしれないが、彼はそうではないかもしれない。

それを知っていれば、あなたの告白の段取りも変わってくるんじゃないだろうか。


***


ここでは説明をカンタンにするために、比較的ドッキーンとしやすい人を「ドキりやすい人」、そうでない人を「ドキりにくい人」と呼ぶことにしよう。へんちくりんな言葉だが、とりあえずこれで説明にはこと足りる。ときめきのスレッシュホルドが低い人という言い方もできるけど、それでは長ったらしくてかなわない。

さて、このドキりやすさの度合いで失敗が生じやすいのは、例えばオンナ十八歳に対しオトコ三十五歳とか、目立たない&恋愛経験ゼロのコに対しプレイボーイなのにプチアイドル的にモテているオトコとか、そういう状況であろう。オンナはドキりやすく、オトコはドキりにくい、そういうときにこの手の勘違いと失敗は生じる。(もちろん、男女が逆でも同様だ)

これについて考えていくのに、まず当然だけど、あなたはドキりやすい人ですか、と僕はあなたに尋ねなくてはならない。この話はドキりやすい人向けに書いているので、ひとまずあなたはイエスと答えたとして、さて次はあなたにこのように問いかける。

―――あなたは、ドキりにくい人の立場と心境を、想像できますか?

このことが、まさに問題の焦点になる。あなたがもし、自分には不釣合いかなと思うようないいオトコをゲットしたいと望んでいる、あるいは将来的にはそういう状況にもトライするつもりだということであれば、これを想像できるようにならなくてはならない。

こう言うと、「わたし経験無いんでダメなんです」とすぐにもギブアップする人も多いが、そんなことを言っていてはダメである。初めから経験のある人などいないのだし、あなたには経験はなくても想像力というものがあるはずだ。ここはまさしく、想像力の出番。

(僕にしたって、オトコのくせにオンナの立場で考えるつもりでこうやって話しているのである。僕はオンナになったことがないので、頼れるのは想像力しかない)

ついでに言うと、ドキりにくい人の立場を想像できるようになること、モテなれているオトコとモテなれているオンナの立場と心境を想像できるようになることが、あなた自身としていいオンナになるための近道であると思う。人間には、イメージしたことを実現する能力があるし、イメージできないことは実現できないという性質もある。だから、モテる人の立場に立つことをイメージするということは、案外それを自分として実現してしまう近道でもあるのだ。このことは、何か夢描いたことを一つでも実現できた人は、経験として知っているはず。何かを実現できたとき、必ずそれに先立つ明瞭なイメージがあるものだ。


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具体的に、ドキりにくいオトコの立場とその心境を説明してみよう。もちろん僕はそのような立場になれたことがないので、話に聞いた情報と想像力を駆使することになる。

彼には、現在のところ言い寄ってきているオンナがあなたを含め四人いる。そしてその中の二人とはカラダの関係もある。カラダの関係を求めるならその四人以外にも候補がいるが、彼は今のところその二人との関係で満足しているので、新しく誰かをエッチ相手として手に入れようとは望んでいない。また、二人の女と同時にカラダの関係があるのは悪いことをしている気分なので、うち一人とはこれからはそういう関係を持たないようにしようか、とも思っている。(でも、求められるとやはり断りきれない)

彼は今のところ、彼女を作りたいとは思っていない。今のままで異性関係の楽しみは十分に充足されているし、遊び心も抜け切らないので、彼女を作ってもその一人を大切にしていける自信が無い。また男友達も多いので、彼女ができたら男友達と今のペースで遊ぶことはできなくなるだろうけどそれはイヤだ、とも思っている。

つい先週、彼には四人のうちの一人に告白された。そのコがカゼを引いて寝込んだという話を聞いたので、慌てて差し入れを買ってそのコの一人暮らしのマンションに駆けつけたら、カゼは大方治っていたのだけど、そのコはありがとうと言って泣き出し、その場で告白されたのだ。彼は告白されたが、それはある程度予想していたことではあった。それまでの彼女の態度はいかにもそれっぽいものだったから。そして彼は、告白されたことは素直に嬉しかったけれど、少し寂しいな、という気分にもなった。彼は、やっぱり今のままの、仲のいい友達関係のままではいられないんだよなぁ、というように感じたのだ。

そのコは、付き合ってくれなくても、また他にそういう女の人がいてもいいですから、それでも先輩に抱かれたいですと言ってくれた。が、彼は彼女に手を出さなかった。彼女は口ではそう言っていても、まだ経験も浅く、恋愛への憧憬も強いため、そんな状況を傷つかずに受け入れられるとは思えなかったからだ。彼は彼女に、君はそんなに自分で思っているほど強くないよ、と言った。それについて、彼女はいたわられたと思ったのか少し嬉しそうな顔をしたが、彼は喜ばせるつもりで言ったんじゃないのに、と内心でため息をついた。

彼は自分がモテることを自覚していたが、それでも自分より上の人はいくらでもいる、と思っていた。先日彼は、広告代理店に勤める先輩から、ハデなコンパの話を聞いた。某航空会社の客室乗務員、その中のフランクフルト常駐の人たちとの合コンの話だ。先輩はその中の一人、一番スタイルのいいオンナと付き合うことになったが、その彼女から早速、「もう年齢的に、ベルサーチとかにしようよ」とファッションチェックを入れられたとのこと。

彼はその話を聞いて、自分なんかまだまだだよなと思った。そして、絶対に在学中に国家試験に受かろうと、決意を新たにした。

彼は最近、新しく女性と知り合った。久々に一人で飲みにいったとき、隣の席にいた女性と仲良くなったのだ。彼女はソムリエの試験に合格したので、そのお祝いと世話になったマスターへのお礼を兼ねて、その日は一人で飲みにきたということだった。彼女とはメルアドを交換し、月末にまた一緒に飲みに行こうという話になっている。彼はソムリエという世界は今までにまったく縁の世界だったので、純粋にそのことに興味を引かれている。また彼女は話し上手な人で、それが単純に楽しいということもあった。しかし、また彼女ともそういう関係になってしまうのかなと、そのことが少し漠然とした不安として感じられてもいた。


***


と、モテているオトコの例、ドキりにくいオトコの一例を具体的に説明してみた。あなたは、どのように感じただろうか。

「こんな人、ドキらせるの絶対ムリだよ!」

あなたはそう感じて、絶望したかもしれない。が、事実モテているオトコとはこういう具合のものなので、それはそれとして納得するしかないと僕は思うのである。

そしてそれを納得すれば、あなたは一つ知恵を手に入れられる。

すなわち、

「告白したからって、それだけでドキらせられるってもんでもないよね」

ということ。

このことの知恵を手に入れて、ようやくあなたは作戦を立てられる段階になるだろう。これがスタート地点なのだから、まったくドキりにくいオトコを落とすのは容易なことではない。

またこれによって、本当にいいオトコをゲットするためには、小手先のことじゃダメだ、本当に自分をいいオンナとしてベースアップしていかなくちゃいけないんだと気づいて、いよいよ本格的にいいオンナへの努力を始められることになるかもしれない。(だから当然、このことには早く気づいたほうが有利だ)

いいオトコ、モテなれているオトコをドキらせるのは難しいことである。ましてあなたが、人よりドキりやすい人であれば、そのようにドキりにくいオトコの立場を想像してそれを攻略するなんてことはまさしく至難のワザといってもいいかもしれない。

とはいえ、僕はあなたにここで諦めてほしくないのだ。どうせあたしなんかじゃムリに決まってると、そう逃げを打つのは精神的に楽チンではあるが、それは本質的に美しいことではない。(それは謙遜とかとはまったく違う)

彼をドキらせるのは容易ではないかもしれないけれども、その方法が無いわけではないし、時にその方法は案外ささいなアイディアだったりすることもあるかもしれないではないか。

そのことについて、僕はひとつのモデルケースを示したわけでもあった。そう、冒頭に書いた、四十一通のメールの話。僕は全然モテなれておらず、ドキりにくいオトコでは全然ないのだけれども、この場合に限ってはさすがに四十一通の全てにドキるわけではない。しかし、その四十一通の中に、僕をドキらせる一通は確かにあったわけだった。肌に直接ルージュで文字を書く、そしてそれを写メールで送りつけるなんて、それはある程度自分のカラダに自信がないとできないことかもしれないが、カラダに自信があるからといって誰もができることではもないはず。

彼女はキレイなカラダに加えて、そういうことを思いついちゃう発想力、そしてそういうことを実行しちゃう実行力があったわけだった。そういうところは素質のものではなく、見習おうと思えば見習えることだ。

もちろん彼女は、僕をドキらせて遊んでやろうと、それを単にいたずら心から思いついたのだろうけど・・・。

(まったく、僕はしてやられた。不覚だ)


***


あなたがドキりやすい人だとしたら、あなたはきっと、誰かに告白されたらそのことだけでドキってしまうだろう。が、そのことを彼についても同様だと早合点してはいけない。ドキりにくい彼をドキらせるには、もう少し知恵と勇気を絞る必要がある。

彼をドキらせる、その具体的な方法について、僕がコレだと示すことはできない。それはあなたの個性と彼の個性、そして二人の状況によって無限のパターンがあるからだ。あなたはそれについて、本当に自力で考えなくてはならないだろう。もちろん、参考になるアイディアを収集したり、思い切るために誰かの応援をもらったりすることはあるにして・・・。

そのことを真剣にやっていく中で、あなたは本当にいいオンナになっていくだろう。そうなったらすばらしいことだし、またあなたはきっとそうなれると、僕はマジメに信じてもいる。


そんなわけで、話はおしまい。最後に、メールをくれた人、本当にありがとう。


あなたがいいオンナになったら、その時はあなたも、僕をドキらせる写メールを送ってくださいね。


(いや、何なら今すぐ送ってくれてもいいんだけどさ)





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