女の口説き方
なんでか、私は、女の口説き方をよく聞かれる。別にそんなにもてるというわけでもないのに。単に私の周りにそういうのと縁のない奴がごろごろいるということだろうか。
で、あまりによく聞かれるし、中には聞きたいけど聞きづらいという人もいるようなので、ここにまとめて書こうと思う。企画的にかなり寒いものなので、性根つめて読まないように。また、非常に基本的なことを書くので、普通に上手くやっている人は読んでもあまり意味がありません。それでも読みたい人はどうぞ。
こないだ、夜11時に電話があって、めずらしく早く寝ていた私は、ぼんやりと「はいもしもし・・・・」と受話器を取った。相手はとある女性だった。知り合ったばかりの、友達と呼べるかどうかの友達だ。
*「あの・・・・もしもし、・・・・寝てました・・・・・?」
「うん」(あくび)
*「・・・・・・」←長い
(なんやねん・・・・なんでだまっとるねん)
「あー、なにかな?」
*「・・・・・あの、明日とか、何してます・・・・・?」
「あー、明日はちょっと用事あるなー」
*「そうですか・・・・・」←すごく不満そう
「・・・・・」
――――――――――長い沈黙。
「まあ、また電話してきてや!」←元気よく
*「・・・・・はぁ・・・」←不満そう
「眠いからもう寝るね」←強引に
*「・・・・・はぁ・・・」←不満そう
「おやすみー」
*「・・・・・おやすみなさぃ・・・」←むしろキレてる?
かちゃ。
この翌日、また電話。
*「あの、今、○○さんの家の前にいるんですけど・・・・・・」
「あー、そうなんや、でもごめん今忙しいわ」
*「・・・・そうですか・・・・」
―――――――――――長い沈黙。
「またな・・・・」
これを読んでくれた人は、大半が私に同情してくれると信じている。なんやねん!!!と思うほかない。夜寝てる時に起こされて、明日は用事あるな、と答えただけで、なんでこんな嫌な気分にならないかんねん!!!勝手に人の家の前にこられても、今忙しいっちゅーねん!!!
自分を好きになってくれる人に冷たくしたくないものだが、これをもし1週間続けられたら、もうタダの苦痛じゃ!!!!で、こんなことされて、安心してそいつに会えるか?1週間が1ヶ月になったらどうすんねん!!!!もしこれで、「あなたのことが好き」とか「つきあって」とか言われて、その気になると思うのか!!!????
ハァハァ、言ってやったぜ・・・・・
まあそれはいいとして。
口説くのが下手、というよりは、相手に逃げられてしまう人は、先に上げた例の男女反転をやっている。とにかく、好きになるとか付き合うとかの前に、相手のストレスを作り出すストレッサーになってしまっている。また本人もそれを自覚しないでもないから、自己嫌悪に陥って、なおムードを暗く重くするし、相手は自己嫌悪に陥っている人に言いたい事を言うわけにもいかないので、さらにストレスだという悪循環に陥る。
ところで、ここまで読んで、あるいはこの先どこかで、「だってしょうがないじゃない!!!」とむかついてしまった人は、ちょっと圏外なのでブラウザの戻るボタンを強く押してください。
で、ここからようやく本題です。
相手のストレスになってしまったら、ダメです。もちろん、何かと接触すれば、ストレスがゼロではありえませんが、あくまで、常識的にです。
そこで、考えてみましょう。例えば、「こんど、一緒に食事にでもいきましょう」と電話一本入れるだけでも、相手のストレスになる人とストレスにならない人がいます。スパーンと気持ちよく言える人と、ネチッと湿っぽく、重たく言う人がいます。それらは何によって決まるのか、何が原因で、湿っぽく重たくなるのか、そこが全ての元凶です。
そういう性格だからしょうがない、という人は、みずから「私は湿っぽく重たい性格ですし、生涯不変です」と宣言するという自殺行為を犯しています。「今は明るくなれない事情があるから」というならわかるんですが。もし、そう宣言したい人があるならそれは自由ですが、その上でうらみとつらみと憎悪なしに生きていくすべを、私は知りません。
ストレスを生み出すかどうかは、言動や行動の内容だけでなく、その母体になる「人格」に依存します。で、あらためて、先にあげた例を読んでみて、相手「*」は本当はどんな人格で何を考えているのか、それを聞く側は、どういう気持ちになるか、くっきりと自分の中でまとめてみてください。
[女の口説き方/了]