確認問題/現代と恋愛
問1.以下の空欄を正しく埋め、選択肢は正しいものを選びなさい。
現代は( )が弱り、代わって( )が発達する時代である。前者の機能は(1.全体的情報 2.イメージ)を処理し、後者の機能は( )情報を処理する。後者はまた、表面的な( )をのみ追跡・検査する。その代表は「1+1=2」「青信号は進んでよし」などであり、この能力は人間の生活に(1.不要 2.不可欠)である。
「脳の立場」に立ったとき、IT革命は、人々の生活に情報量を(1.増やした 2.減らした)。それはIT革命が( )の革命だったからである。IT端末に没頭しているとき、脳は( )状態になっており、このことが続くと、脳はやせ細り、やがて本来の機能を損傷する。損傷はときに機能の喪失にまで及ぶ。「脳の立場」に立ったとき、あくまで最大の情報源は、直接の(1.人間 2.言葉)である。ただしそうして情報を与えてくれるのはあくまで(1.脳 2.立場)の関わりがある人だけである。
営みのよろこびは本来、(1.脳のみ 2.自意識のみ 3.脳と自意識の両方)に発生する。このよろこびが得られないとき、人は自意識に起こる( )をその代替に充て、それを生きる原動力にする。この方法を( )式という。この方式は(1.初めは上手くいく 2.初めから上手くいかない)。けれどもこの方式の果てにあるのは( )型と( )型である。方式の果てにそのような様相に行き着くことは、一般に(1.警戒されている 2.警戒されていない)。パケタイズされた情報を、「無数に」「一気に」、( )のように流し込むことで、自意識は( )あげられ、自意識は(1.鍛えられる 2.肥え太る)。一般に勉強を(1.しっかり 2.みっちり)やるのは、自意識を( )的かつ( )にするためであり、このことがされないままに現代の文化物を与えられ続けることには相応のリスクを伴う。けれども誰しもこのことに巻き込まれる前提で考えねばならない。
自意識の時代影響に侵された人間は、( )専門人として新しく現代に生まれてきている。彼らの特徴は第一に「(1.心 2.頭)が弱い」ところにある。その結果、脳で全体的脈絡を(1.理解する 2.発見する)ことができず、(1.問題が問題だと 2.ニセモノがニセモノだと)わからない。そうならないためには結局、(1.全体的情報 2.専門的情報)を( )に(1.勉強して 2.浴びて)ゆくしかない。
自意識は(1.行為 2.はたらき)をし、脳は(1.行為 2.はたらき)を持つ。そのぶん、時代が自意識化すると、多くのものが(1.合理的に 2.わざとらしく)なる。いわゆる(1.かっこいい 2.かっこつけ)が礼賛されるようになるが、それでも、人が本当によろこびを得られるのは(1.利得があって 2.脳がワッとなって)起こる営みに触れられたときのみである。
問2.脳の知識と自意識の知識とで、明らかな差が表れる例を3つ述べなさい。
問3.以下の空欄を埋め、選択肢は正しいものを選びなさい。
自意識は常に「現在」を(1.捉えている 2.捉えていない)。数直線上のゼロ点に自意識による「認識」の時点を置いたならば、「現在」の時点は数直線上で(1.ゼロ点 2.−1の点)である。脳は現在を捉えることができるので、脳は自意識に対し(1.同調 2.先行)している。このとき自意識というのは、起こる振る舞いを確認する( )装置にすぎない。
脳には、( )が見える。それにより、人はその関わりにおいては、( )いく・( )こさせる、ということができる。
コミュニケーションは行為(1.である 2.ではない)。(1.脳と脳 2.脳と自意識)の関わりが健全に起こらないかぎり、人々の営みはよろこびの魅力を失っていく。これは脳のことであるので、身体を伴った関わりについて(1.深く影響を及ぼす 2.影響を持たない)。人がコミュニケーションの中で「受け答え」を活発にするとき、互いの脳は呼応(1.している 2.していない)。
人と人との間で、自意識による営みは正当に(1.ある 2.無い)。こちらの営みは根本的に( )ものであり、コミュニケーションにこれを転用するならば、それは(1.食事をひとつまみずつ楽しむ 2.食事をひとつまみずつ運ぶ)ようなものだ。
問4.以下の各文の正誤を、○と×をつけて示しなさい。
1.人はいわゆる「リア充」になってはいけない。
2.時代はどうあれ、たくさんの人と付き合ってゆけば大丈夫である。
3.インターネットが便利になったので、たくさんの作品を楽しめる機会が増した。
4.自意識でなく、無意識に起こることこそ大事にすべきである。
5.「好きなタイプ」はよく脳のことを表している。
6.脈絡の整っていない会話は自意識にとって負担になる。
7.IT技術に生活上の影響が薄い層は過去の健全さのままにあれる。
8.陶酔などは早くに超越するべきである。
9.脈絡を持たない同士だと人は衝突してしまう。
10.自意識の握力は頑強であるべきだ。
11.自意識の機能と脳の機能は対立する。
12.何事につけ「わざとらしく」ならないように意識するべきである。
13.好きな人の前で緊張してしまうのは脳がワッとなるからだ。
14.人についてのたくさんの情報を統合することがコミュニケーションである。
15.自意識は自分のものである。
16.よく調べたものしかよく知っているとは言えない。
17.「いい人」は誰にだってわかるものだ。
18.自意識の肥大は脳機能を激しく抑制する
<解答>
問1.以下の空欄を正しく埋め、選択肢は正しいものを選びなさい。
現代は(脳)が弱り、代わって(自意識)が発達する時代である。前者の機能は(1.全体的情報)を処理し、後者の機能は(パケット)情報を処理する。後者はまた、表面的な(脈絡)をのみ追跡・検査する。その代表は「1+1=2」「青信号は進んでよし」などであり、この能力は人間の生活に(2.不可欠)である。
「脳の立場」に立ったとき、IT革命は、人々の生活に情報量を(2.減らした)。それはIT革命が(情報数)の革命だったからである。IT端末に没頭しているとき、脳は(飢餓)状態になっており、このことが続くと、脳はやせ細り、やがて本来の機能を損傷する。損傷はときに機能の喪失にまで及ぶ。「脳の立場」に立ったとき、あくまで最大の情報源は、直接の(1.人間)である。ただしそうして情報を与えてくれるのはあくまで(1.脳)の関わりがある人だけである。
営みのよろこびは本来、(1.脳のみ)に発生する。このよろこびが得られないとき、人は自意識に起こる(陶酔)をその代替に充て、それを生きる原動力にする。この方法を(陶酔)式という。この方式は(1.初めは上手くいく)。けれどもこの方式の果てにあるのは(麻痺)型と(決壊)型である。方式の果てにそのような様相に行き着くことは、一般に(2.警戒されていない)。パケタイズされた情報を、「無数に」「一気に」、(ジュース)のように流し込むことで、自意識は(こすり)あげられ、自意識は(2.肥え太る)。一般に勉強を(2.みっちり)やるのは、自意識を(合理)的かつ(頑強)にするためであり、このことがされないままに現代の文化物を与えられ続けることには相応のリスクを伴う。けれども誰しもこのことに巻き込まれる前提で考えねばならない。
自意識の時代影響に侵された人間は、(パケット)専門人として新しく現代に生まれてきている。彼らの特徴は第一に「(2.頭)が弱い」ところにある。その結果、脳で全体的脈絡を(2.発見する)ことができず、(2.ニセモノがニセモノだと)わからない。そうならないためには結局、(1.全体的情報)を(心身)に(2.浴びて)ゆくしかない。
自意識は(1.行為)をし、脳は(2.はたらき)を持つ。そのぶん、時代が自意識化すると、多くのものが(2.わざとらしく)なる。いわゆる(2.かっこつけ)が礼賛されるようになるが、それでも、人が本当によろこびを得られるのは(2.脳がワッとなって)起こる営みに触れられたときのみである。
問2.脳の知識と自意識の知識とで、明らかな差が表れる例を3つ述べなさい。
・人間の手とマネキンの手を感触によってただちに見分けること
・魚屋がスルメイカとケンサキイカを分析なしに見分けること
・我々が標準語と大阪弁を完全に聞き分けてしまうこと
など。
問3.以下の空欄を埋め、選択肢は正しいものを選びなさい。
自意識は常に「現在」を(2.捉えていない)。数直線上のゼロ点に自意識による「認識」の時点を置いたならば、「現在」の時点は数直線上で(2.−1の点)である。脳は現在を捉えることができるので、脳は自意識に対し(2.先行)している。このとき自意識というのは、起こる振る舞いを確認する(モニター)装置にすぎない。
脳には、(脳)が見える。それにより、人はその関わりにおいては、(ついて)いく・(ついて)こさせる、ということができる。
コミュニケーションは行為(2.ではない)。(1.脳と脳)の関わりが健全に起こらないかぎり、人々の営みはよろこびの魅力を失っていく。これは脳のことであるので、身体を伴った関わりについて(1.深く影響を及ぼす)。人がコミュニケーションの中で「受け答え」を活発にするとき、互いの脳は呼応(2.していない)。
人と人との間で、自意識による営みは正当に(1.ある)。こちらの営みは根本的に(しんどい)ものであり、コミュニケーションにこれを転用するならば、それは(2.食事をひとつまみずつ運ぶ)ようなものだ。
◆問4.以下の各文の正誤を、○と×をつけて示しなさい。
× 1.人はいわゆる「リア充」になってはいけない。(→脳の営みがあればよいだけで、形式は問題ではない)
× 2.時代はどうあれ、たくさんの人と付き合ってゆけば大丈夫である。(→すでに多くの人が陶酔式を採用しており、各人が対抗を持たねばならない)
○ 3.インターネットが便利になったので、たくさんの作品を楽しめる機会が増した。(→作品は「体験」を与える)
× 4.自意識でなく、無意識に起こることこそ大事にすべきである。(→自意識の行為は「習慣」になりいわゆる「無意識」の行為になっていく)
× 5.「好きなタイプ」はよく脳のことを表している。(→「タイプ」等、分類化はパケタイズ情報である)
○ 6.脈絡の整っていない会話は自意識にとって負担になる。(→脳で処理すべき全体を自意識で追えば負担になる)
× 7.IT技術に生活上の影響が薄い層は過去の健全さのままにあれる。(→娯楽メディアを含めた全体がパケット人間界化を進めているので巻き込まれる)
× 8.陶酔などは早くに超越するべきである。(→耽美・貴族法による陶酔のひとつに「超越ふう」がある)
× 9.脈絡を持たない同士だと人は衝突してしまう。(→それぞれの脈絡が正しいので、譲れなくて衝突する。例、法廷や議論など)
○ 10.自意識の握力は頑強であるべきだ。(→銃撃戦中の兵士が指示を誤ってはいけない)
× 11.自意識の機能と脳の機能は対立する。(→脳は自意識に先行し、対立ではなく時間差ある並列で機能する)
× 12.何事につけ「わざとらしく」ならないように意識するべきである。(→”意識する”ということは「わざと」である)
× 13.好きな人の前で緊張してしまうのは脳がワッとなるからだ。(→乳幼児は緊張しない。振る舞いが「認識」に引きずられることで緊張が起こる)
× 14.人についてのたくさんの情報を統合することがコミュニケーションである。(→パケタイズされた情報はついに統合されない。一つの全体的情報にはならない)
○ 15.自意識は自分のものである。(→脳は生来所有だが自意識は後天的構築である)
× 16.よく調べたものしかよく知っているとは言えない。(→ガイドブックの情報より地元の少年のほうがよく知っている、脳の知識として)
× 17.「本当にいい人」は誰にだってわかるものだ。(→パケット専門人は表面的脈絡の「いい人」しか理解できない)
○ 18.自意識の肥大は脳機能を激しく抑制する。(→自意識は脳の先行機能を"禁則"にすることができる)
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